International legal news mainly developments in litigation and arbitration, and sometimes my own updates
14 June 2021
レバノン特別法廷、財政難により休廷の危機
09 June 2021
欧州委員会、ドイツに対して条約違反手続を開始
01 June 2021
人種差別撤廃委、パレスチナ対イスラエルの国家通報の受理可能性を肯定
24 May 2021
ベラルーシ、民間旅客機を航路転換させ体制に批判的なジャーナリストを拘束
すでに広く報じられている通り、ギリシャ発リトアニア行きの民間航空機FR4978便がベラルーシ(ミンスク)に航路変更され、着陸とともに乗客であったジャーナリストが拘束されたとのことです。事の性質上、詳細は報道に拠るほかありませんが、安全保障上の懸念(FR4978便に爆発物が搭載されている可能性)をベラルーシ管制から伝えられたFR4978便は、スクランブル発信したベラルーシ戦闘機によりミンスクまでエスコートされたとのことです。ただ、捜索の結果爆発物は発見されず、その際にベラルーシ体制に批判的なジャーナリストが拘束されたことから、同氏を拘束するために虚偽の懸念をもって着陸させた、との批判がなされています。
本件については、ベラルーシの行為を「国家テロリズム」との表現で批判する声が散見されます(例えば)。ICAOはシカゴ条約違反の可能性を示唆していますが、1971年モントリオール条約(民間航空の安全に対する不法な行為の防止に関する条約)のほうがわかりやすいかと思います。同条約第1条1項(e)は、「虚偽と知っている情報を通報し、それにより飛行中の航空機の安全を損なう行為」を犯罪としているため、国家が自らの機関(ベラルーシ管制)を通じて条約上の犯罪を犯した、と論じる余地があります。この論理構成が仮に難しい場合でも、第10条1項において、「締約国は、国際法及び国内法に従い、第1条に定める犯罪行為を防止するためあらゆる実行可能な措置をとる(shall)」とあるので、防止義務違反については論じる余地が出てくるように思います。
ちなみに、モントリオール条約には紛争処理条項があり(第14条1項)、仲裁ひいては国際司法裁判所への紛争付託が認められていますが、残念ながらベラルーシは同条に対して留保をしています。
追記:ほぼ同じ観点から分析したTweetがすでにありましたので、こちらもあわせてどうぞ。
10 May 2021
23 April 2021
COVID-19と国際法(9) 中国に対する慰謝料請求につき、民事裁判権免除を理由に却下した事例
21 April 2021
宣伝:国際司法裁判所における反訴の受理可能性
についての拙稿をベルギー国際法雑誌(Revue belge de droit international) 2020-1号に掲載しましたので、もしよろしければ御笑覧くださいませ。
韓国ソウル地裁、従軍慰安婦訴訟において主権免除を肯定し賠償請求を却下
すでに多くの報道がなされている通り(例えば)、4月21日付判決にてソウル地裁は元従軍慰安婦及びその遺族が日本政府を相手取り提起した損害賠償請求を却下しました。判決原文(のブログ著者が読める言語による翻訳)は未入手ですが、日本の主権免除が肯定され、その判断推論において「不法行為例外」および「強行規範違反例外」に関する国際慣習法の成立を否定したようです(抄訳)。国際司法裁判所のドイツ対イタリア判決に即した判断とみることができそうです(特に76項、93-94項)。
となると、国際強行規範違反については主権免除が否定されるという、上記国際司法裁判所の判決とは異なる推論を辿って真逆の結論に到達した本年1月8日付判決(要旨)との整合性が問題となりそうです。
ドイツ憲法裁判所、欧州復興基金を批准する国内法令への大統領署名の差止申立を却下
4月21日付のプレスリリースにより、15日付の命令で却下されたと述べられています。COVID-19対策として欧州委員会が7500億ユーロ相当の資金を市場から借り入れを行うことについての詳細を定めた欧州理事会決定(2020/2053)を批准する法令のドイツ基本法適合性が争われている事件における判断になります。注意すべきは、本命令はあくまで批准法令に対する大統領署名の差止め(einstweiligen Anordnung)請求をドイツ憲法裁判所が却下したにとどまり、いわゆる欧州復興基金のドイツ基本法適合性にかかる本請求についての判断は今後ということになります。
05 January 2021
サウジアラビア、カタールとの国境封鎖解除へ
23 December 2020
模擬裁判への参加を理由とする仲裁人忌避申立て(を却下した事例)
ちなみに、同決定の主たる争点はどちらかといえば、COVID-19パンデミックを理由としてオンラインでの口頭弁論開催を決定した仲裁廷に対して不服であった被申立国が行った仲裁廷全体に対する忌避申立てにあると思いますので(とはいえこれも却下、145項)、バランスよく読む必要があります。
22 December 2020
条約解釈における「ファクター」としての国家実行
69. [...] Les deux Parties reconnaissent qu’un certain nombre d’Etats accréditaires, tous parties à la convention de Vienne, imposent expressément aux Etats accréditants d’obtenir leur accord préalable pour acquérir et utiliser des locaux à des fins diplomatiques. [...] La Cour ne considère pas que cette pratique démontre nécessairement «l’accord des parties» au sens d’une règle codifiée à l’alinéa b) du paragraphe 3 de l’article 31 de la convention de Vienne sur le droit des traités en ce qui concerne l’existence d’une obligation d’obtenir un accord préalable, ou les modalités selon lesquelles un Etat accréditaire peut communiquer son objection à la désignation, par l’Etat accréditant, d’un immeuble comme faisant partie des locaux de sa mission diplomatique. Néanmoins, la pratique de plusieurs Etats, qui exige clairement l’accord préalable de l’Etat accréditaire avant qu’un immeuble puisse acquérir le statut de «locaux de la mission», et l’absence de toute objection à cette pratique, sont des facteurs qui vont à l’encontre de la conclusion selon laquelle l’Etat accréditant aurait le droit au titre de la convention de Vienne de désigner unilatéralement les locaux de sa mission diplomatique.
「事後の実行」には至らない散発的な(しかし重要そうに見える)国家実行を現行の条約解釈規則に照らしてどう位置付けて考慮できるかは(研究でも実務でも模擬裁判でも)悩ましい前提問題でしたが、本件ではとにかく「要素」だというのが裁判所の立場のようです。ちなみに、国連国際法委員会の立場は、事後の実行を確立するには至らない国家実行は第32条の「解釈の補足的手段」の1つとして考慮できるというものでしたので(これのp. 20, paras. 8-9)、裁判所はこれには与しなかった(あるいは事情が異なると考えた)ということかもしれません。
国際司法裁判所、仮保全措置の実施確認パネルの仕組みを導入
12月21日付のプレスリリースで発表されました。司法業務に関する決議に11条が新設されています。3名の裁判官(国籍裁判官・ad hoc裁判官を除く)から成る委員会が都度設立され、仮保全措置の実施に関する当事国からの情報を検討し、取りうる選択肢について裁判所に勧告を行うという仕組みです。
一部で議論されておりました、当事国から提出される報告書の一般公開の可否については特段言及はありません。ガンビア対ミャンマーの事件で、ミャンマーが提出した仮保全措置の履行に関する報告書についてロヒンギャ支援団体が一般公開を求める書簡を公表しており、話題となっていましたが、この点に応えた措置ではないようです。訴答書面も口頭弁論開始までは公開されないのでこれと平仄を合わせているとみることもできますが、国際海洋法裁判所では、特段明示の根拠条文なく一般公開される実務となっているので(例えば)、国際司法裁判所でも規程や規則の改正が必須の前提というわけではなさそうです。
第三者的には透明性が高いことが望ましいともいえますが、もし公開するのであれば、今後出てくる報告書は(良くも悪くも)そのことを前提とした書きぶりになってくるだろうということは念頭に置く必要がありそうです。
14 December 2020
国際司法裁判所のJudicial Fellowプログラムについての信託基金設立へ
国連総会の要請により、国連事務総長により設立される見通しです。Judicial Fellow(旧University Trainee、いずれにせよ、日本語訳は難しいです)プログラムは、候補者を送り出す側の大学が資金面での負担を負うため、財政的制約により、候補者を派遣できる機関が米国ロースクールを中心とした特定地域の大学に偏ってしまうという課題があり、その是正措置と位置付けられます。
基金の対象は、「途上国にある大学出身の途上国国民(nationals of developing countries from universities based in developing countries)」とのことです(15項)。残念ながら、先進国にはあるけども財政的には制約がある大学出身の場合には対象とならないようです。
05 November 2020
三井物産、再生可能エネルギー投資に関してスペインを相手取り投資仲裁申立
10月30日付でICSID事務局ウェブサイトに記載されております(ICSID Case No. ARB/20/47、管轄権の基礎はエネルギー憲章条約)。詳細の記載はありませんが、太陽光発電に関する補助金制度の変更に起因する一連の投資紛争の1つと推測されます。日系企業による対スペイン申立としては、公表されている限りではこれが4件目となります。
19 October 2020
国際司法裁判所、DRC対ウガンダの事件で鑑定人を嘱託
08 October 2020
欧州人権裁判所、ナゴルノ・カラバフ紛争関連申立でトルコにも暫定措置を命令
"Taking account of the escalation of the conflict, the Court has decided to apply Rule 39 of the Rules of Court (interim measures) again. It now calls on all States directly or indirectly involved in the conflict, including Turkey, to refrain from actions that contribute to breaches of the Convention rights of civilians, and to respect their obligations under the Convention".
同紛争に関連してトルコによるアゼルバイジャン支援が注目されている中での司法判断となりました。対アゼルバイジャン措置の場合には生命権(第2条)や拷問禁止(第3条)といった具体的義務への言及があったのに対し、上記の対トルコ措置においては条約順守を一般的に求めるにとどまっている点が注目されるかと思います。
03 September 2020
カナダとオランダ、ガンビア対ミャンマーの事件に訴訟参加の意向表明
05 August 2020
アルゼンチン、債権者団との債務再編交渉妥結
"Argentina will adjust certain aspects of the collective action clauses in its New Bond documentation to address proposals submitted by members of the creditor community that seek to strengthen the effectiveness of the contractual framework as a basis for the resolution of sovereign debt restructurings upon the support for such adjustments of the broader international community".
04 August 2020
WTO紛争処理におけるTweetの証拠価値
"The Panel discusses these tweets, not because they are attributable to the Government of Saudi Arabia, but because they are evidence that beoutQ was promoted by prominent individuals and newspapers within Saudi Arabia, which is relevant to the question of whether beoutQ is operated by individuals or entities subject to the criminal jurisdiction of Saudi Arabia".
"The Panel considers that Saudi Arabia's statement that "unofficial, non-government tweets are not usually recognized by legal adjudicators or attributed to a government without explicit approval" is beside the point, because most of the tweets in question are in fact governmental tweets. Article 11 of the ILC Articles on State Responsibility, entitled "Conduct acknowledged and adopted by a State as its own", provides that "[c]onduct which is not attributable to a State … shall nevertheless be considered an act of that State under international law if and to the extent that the State acknowledges and adopts the conduct in question as its own." By its terms, the principle only applies to conduct that is not otherwise attributable to a state. However, as already noted above, under general international law principles of state responsibility, actions at all levels of government (local, municipal, federal), or by any agency within any level of government, are attributable to the State".
"The Court takes the view that statements of this kind, emanating from high-ranking official political figures. sometimes indeed of the highest rank, are of particular probative value when they acknowledge facts or conduct unfavourable to the State represented by the person who made them. They may then be construed as a form of admission" (ICJ Reports 1986, p. 41, para. 64).















