14 June 2021

レバノン特別法廷、財政難により休廷の危機

 


6月2日付のプレスリリースにて発表されています。レバノン特別法廷の運営予算は、レバノン政府による拠出(49%)とその他諸国の自発的な援助(51%)からなっているところ、これらの不足により、財政支援がなければ7月31日以降の活動が見込めないと発表されました。書記局長はすでに、法廷スタッフの人員整理の可能性にも言及しています。財政難の背景としては、プレスリリースは主としてCOVID-19パンデミックを挙げていますが、より根深いところでは、同法廷の成果に対する疑義が燻ぶっているようです。

さて、仮に不幸にも財政支援が無かった場合、法制度的観点から浮上するのは係属中の案件の扱いです。財政難が理由である以上、残余メカニズムに相当する制度の構築・運営は想定しがたいかもしれません。書記局長の通知からは、"a dormancy model"への移行という表現で検討されていることが伺えますが、それ以上の詳細は明らかではありません。