24 September 2021

米国連邦地裁、ロヒンギャ・ジェノサイドに関する証拠開示をFacebookに命令

 

ガンビアがFacebookを相手取り28 USC 1782に基づく証拠開示を求めていた事件で、米国コロンビア特別区地裁は22日、ガンビアの申し立てを大筋認め、Facebookに対して証拠の開示を命令しました。ガンビア政府も歓迎の意を表明しています。

本件証拠開示請求は、国際司法裁判所におけるGambia v. Myanmarの事件に関連して、原告ガンビアが、ミャンマー政府によるロヒンギャ・ジェノサイドの責任を追及するにあたって、ジェノサイドの意図を証明するための証拠資料を収集する狙いから提起されたものです。ミャンマーにおけるFacebookの利用率が非常に高く、反ロヒンギャ言説を広く伝播する役割を果たしてきたことが背景にあります。

2020年6月の開示請求から1年以上が経過しており、この間、懸案の国際司法裁判所での手続では原告ガンビアの申述書の提出が既に完了しているため、本件開示命令を通じて得られるであろう証拠資料は抗弁書に付して提出する必要があります。この点、現時点では先決的抗弁の審理期日も未発表ですので、原告側弁護団としては関連資料を消化する時間は十分あるように思います。さらには、本件提訴後に発生したミャンマーの軍事クーデターの影響もあるかもしれません。

15 September 2021

レバノン特別法廷、活動再開

 


財政難により休廷の危機に陥っていたレバノン特別法廷ですが、その後活動再開の見通しのようで、10月4日より口頭弁論が予定されていると発表されました。

同法廷の活動実績(の乏しさ)に対する資金援助国の厳しい評価が活動停止の背景であったことからすれば、気になるのは財源ですが、これまでのところ明らかにされていないようです(こちらなど)。