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05 January 2021

サウジアラビア、カタールとの国境封鎖解除へ


サウジアラビア政府のソースからの発表はまだ見当たりませんが、本件紛争で仲介役を担っていたクウェートの外相が国営放送を通じて4日付で発表しました。湾岸協力会議の首脳会談が5日に開催予定とのことなので、これに先立った形となります。同様の封鎖措置を課してきた他の周辺諸国(UAE、バーレーン、エジプト等)の動向が注目されます。

2017年6月のカタール危機(外交関係断絶と国境封鎖)以降、多くの派生紛争が国際裁判の場に持ち込まれてきており(例えば)、その多くが現在も係属中ですので、今回の進展は係属中の紛争の帰趨にも影響が及ぶことも見込まれます。

■1月6日追記:5日の首脳会談にて共同宣言に署名がなされたようです(英文はとりあえずこちらを参照しています)。宣言の文言からははっきりとは読み取れないような気もしますが、これにより一連の紛争は正式に終了した、というサウジアラビア外相の発言が報道されています。

22 December 2020

条約解釈における「ファクター」としての国家実行

 


12月11日付で下された赤道ギニア対フランスの事件の本案判決は、ある不動産が外交関係条約第1条(i)にいう「使節団の公館」たる地位を取得するに際して接受国が異議申立てを行うことでこれを妨げることができるという、文言上は存在しない要素を解釈上導入したことが論争を呼んでいますが(所長次長も反対票を投じています)、ここではその結論に到達する条約解釈論の一部興味深い点に触れたいと思います。

以上の結論を支えるために、多数意見は、ある不動産につき派遣国が使節団の公館として利用するに際して接受国の事前の承認を求めるいくつかの国家実行を援用します。興味深いのは、多数意見は、それら実行が条約法条約第31条3項(b)にいう「当事国の合意」を示す事後の実行には至らないことは認めつつも、それでも原告の主張する解釈に反する「要素 (des facteurs)」として考慮している点です。

69. [...] Les deux Parties reconnaissent qu’un certain nombre d’Etats accréditaires, tous parties à la convention de Vienne, imposent expressément aux Etats accréditants d’obtenir leur accord préalable pour acquérir et utiliser des locaux à des fins diplomatiques. [...] La Cour ne considère pas que cette pratique démontre nécessairement «l’accord des parties» au sens d’une règle codifiée à l’alinéa b) du paragraphe 3 de l’article 31 de la convention de Vienne sur le droit des traités en ce qui concerne l’existence d’une obligation d’obtenir un accord préalable, ou les modalités selon lesquelles un Etat accréditaire peut communiquer son objection à la désignation, par l’Etat accréditant, d’un immeuble comme faisant partie des locaux de sa mission diplomatique. Néanmoins, la pratique de plusieurs Etats, qui exige clairement l’accord préalable de l’Etat accréditaire avant qu’un immeuble puisse acquérir le statut de «locaux de la mission», et l’absence de toute objection à cette pratique, sont des facteurs qui vont à l’encontre de la conclusion selon laquelle l’Etat accréditant aurait le droit au titre de la convention de Vienne de désigner unilatéralement les locaux de sa mission diplomatique.

「事後の実行」には至らない散発的な(しかし重要そうに見える)国家実行を現行の条約解釈規則に照らしてどう位置付けて考慮できるかは(研究でも実務でも模擬裁判でも)悩ましい前提問題でしたが、本件ではとにかく「要素」だというのが裁判所の立場のようです。ちなみに、国連国際法委員会の立場は、事後の実行を確立するには至らない国家実行は第32条の「解釈の補足的手段」の1つとして考慮できるというものでしたので(これのp. 20, paras. 8-9)、裁判所はこれには与しなかった(あるいは事情が異なると考えた)ということかもしれません。