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21 May 2022

カナダ他40数か国、ウクライナによる対ロシア事件への訴訟参加を検討

 

ロシアによる「特別軍事作戦」開始の口実にもされたウクライナ・ドンバス地域の「ジェノサイド」については、その不存在確認を求めるウクライナの訴訟が注目を集めてきていますが、同手続への訴訟参加を検討する旨、20日付でカナダ政府が40数か国(+欧州連合)を代表して発表しました。

"Reaffirming our commitment to accountability and the rules-based international order, we hereby express our joint intention to explore all options to support Ukraine in its efforts before the ICJ and to consider a possible intervention in these proceedings."

共同声明発表国のうち、ルーマニア政府が一足先に発表していましたが、ウクライナ側の明示の要請が(少なくともルーマニア政府に対して)あったようです(ルーマニア外務省プレスリリース・原文はルーマニア語)。

訴訟参加の方式としては、裁判の影響を受ける利害関係国としての参加(規程62条)と、多数国間条約の解釈が問題となる場合の他の締約国の参加(規程63条2項)の2つがありますが、そもそもジェノサイド条約の締約国ではない国の名前がいくつか連なっており(マーシャル諸島、ミクロネシア、そして日本)、(欧州連合はともかく)これらの国がどのように訴訟参加の可能性を模索しているのかが気になります。

11 December 2021

米連邦裁判官、Facebookに対する証拠開示命令を取り消す

 


9月24日付記事の続報になります。ロヒンギャ・ジェノサイドに関連する証拠の開示請求を認容した下級裁判官(magistrate judge)の命令を、連邦裁判官が取り消す命令を12月3日付で発出しました。連邦民事訴訟規則第72条(a)に基づく手続となります。

主たる争点は、通信保存法(Stored Communication Act)上の「バックアップ」の意味という、国際法とはやや縁遠い条文の解釈論ですが、本命令の国際法上の含意は言うまでもなく、国際司法裁判所におけるGambia v. Myanmarの事件における原告側の立証活動への影響ということになります。

ちなみに、最初の命令に比べてあまり報じられておらず(?)、一次資料がパブリックドメインにはまだ見当たらないので、関心のある方は米国判例データベースからアクセスください。事件番号は「20-mc-36-JEB-ZMF」です。

24 September 2021

米国連邦地裁、ロヒンギャ・ジェノサイドに関する証拠開示をFacebookに命令

 

ガンビアがFacebookを相手取り28 USC 1782に基づく証拠開示を求めていた事件で、米国コロンビア特別区地裁は22日、ガンビアの申し立てを大筋認め、Facebookに対して証拠の開示を命令しました。ガンビア政府も歓迎の意を表明しています。

本件証拠開示請求は、国際司法裁判所におけるGambia v. Myanmarの事件に関連して、原告ガンビアが、ミャンマー政府によるロヒンギャ・ジェノサイドの責任を追及するにあたって、ジェノサイドの意図を証明するための証拠資料を収集する狙いから提起されたものです。ミャンマーにおけるFacebookの利用率が非常に高く、反ロヒンギャ言説を広く伝播する役割を果たしてきたことが背景にあります。

2020年6月の開示請求から1年以上が経過しており、この間、懸案の国際司法裁判所での手続では原告ガンビアの申述書の提出が既に完了しているため、本件開示命令を通じて得られるであろう証拠資料は抗弁書に付して提出する必要があります。この点、現時点では先決的抗弁の審理期日も未発表ですので、原告側弁護団としては関連資料を消化する時間は十分あるように思います。さらには、本件提訴後に発生したミャンマーの軍事クーデターの影響もあるかもしれません。

22 December 2020

国際司法裁判所、仮保全措置の実施確認パネルの仕組みを導入

 

12月21日付のプレスリリースで発表されました。司法業務に関する決議に11条が新設されています。3名の裁判官(国籍裁判官・ad hoc裁判官を除く)から成る委員会が都度設立され、仮保全措置の実施に関する当事国からの情報を検討し、取りうる選択肢について裁判所に勧告を行うという仕組みです。

一部で議論されておりました、当事国から提出される報告書の一般公開の可否については特段言及はありません。ガンビア対ミャンマーの事件で、ミャンマーが提出した仮保全措置の履行に関する報告書についてロヒンギャ支援団体が一般公開を求める書簡を公表しており、話題となっていましたが、この点に応えた措置ではないようです。訴答書面も口頭弁論開始までは公開されないのでこれと平仄を合わせているとみることもできますが、国際海洋法裁判所では、特段明示の根拠条文なく一般公開される実務となっているので(例えば)、国際司法裁判所でも規程や規則の改正が必須の前提というわけではなさそうです。

第三者的には透明性が高いことが望ましいともいえますが、もし公開するのであれば、今後出てくる報告書は(良くも悪くも)そのことを前提とした書きぶりになってくるだろうということは念頭に置く必要がありそうです。

03 September 2020

カナダとオランダ、ガンビア対ミャンマーの事件に訴訟参加の意向表明

 


9月2日付で共同声明が発出されています。規程62条参加なのか63条参加なのかは明らかにはされていませんが、"[Canada and the Netherlands] will pay special attention to crimes related to sexual and gender-based violence, including rape"とのことです。