23 December 2020

模擬裁判への参加を理由とする仲裁人忌避申立て(を却下した事例)

 


数多く開催され、数多くの国際法研究者・実務家も参加する国際法模擬裁判ですが、係属中の仲裁手続の一方当事者が主催者となっている模擬裁判(フランクフルト模擬投資仲裁)に裁判官としての関与した経験があることを理由とする仲裁人忌避申立てが他方当事者から提起され、見事に却下された例が最近公表されました(153項)。これで安心して模擬裁判の裁判官を引き受けることができると考える方もいるかもしれません。

ちなみに、同決定の主たる争点はどちらかといえば、COVID-19パンデミックを理由としてオンラインでの口頭弁論開催を決定した仲裁廷に対して不服であった被申立国が行った仲裁廷全体に対する忌避申立てにあると思いますので(とはいえこれも却下、145項)、バランスよく読む必要があります。