23 May 2020

アルゼンチン、6年ぶり9度目のデフォルト(債務不履行)




アルゼンチン政府は22日を期限として債務再編交渉中でしたが、同日債権者団との合意に至らず、約5億ドルのデフォルト(債務不履行)に陥りました。これでアルゼンチンのデフォルトは6年ぶり9度目となります。

債務不履行額に比して報道の論調が比較的落ち着いているのは、債権者団が交渉継続に応じる姿勢を示しており、即座には訴訟乱発には至らないと見込まれているからのようです。再設定された次の交渉期限は6月2日と報じられております。
(6月2日追記:6月12日まで交渉期限が再延長されたようです)
(6月14日さらに追記:6月19日まで再延長されました)
(6月20日さらに追記:7月24日まで再延長されるようです)

なお、こうした国家債務不履行は時折「テクニカル・デフォルト」と呼ばれることがあります(今回もそうです)。ただ、いかなる意味において「テクニカル」なのか必ずしも統一的な意味は与えられていないように思います。定義的には、「a deficiency in a loan agreement that arises from a failure to uphold certain aspects of the loan terms other than the regularly scheduled payments」とされています(ただ、これだと今回のアルゼンチン・デフォルトは「テクニカル」ではないような気もします)。支払い能力があるにもかかわらず不履行を選んだという趣旨でこの用語を用いるもありますが、この場合にはstrategic defaultという用語が別に用意されています。2014年のデフォルトも「テクニカル・デフォルト」と呼ばれていましたが、これは、私個人としては、アルゼンチン政府としては(協調的な)債権者への弁済の準備があったにも関わらず他の(敵対的な)債権者による「抜け駆け訴訟」の結果として支払いが阻止されてしまった(See NML Capital v. Argentina, 727 F.3d 230 (2nd Cir. 2013))という極めて特殊な状況を「テクニカル」と呼んでいるものと理解していましたが、そうではない用法もあるようです。