08 October 2020

欧州人権裁判所、ナゴルノ・カラバフ紛争関連申立でトルコにも暫定措置を命令

 


9月末に再燃したナゴルノ・カラバフ紛争に関連して、アルメニアがアゼルバイジャンを相手取り欧州人権裁判所に国家間申立を提起し、裁判所は双方に対して軍事行動を控えるよう求める暫定措置を命じていました(9月29日)。その後、アルメニアは今度はトルコを相手取った国家間申立を提起し(10月4日)、裁判所は10月6日付でやはり暫定措置を命令しました。プレスリリースによれば、次のような内容の措置が命じられたとのことです(強調本文)。

"Taking account of the escalation of the conflict, the Court has decided to apply Rule 39 of the Rules of Court (interim measures) again. It now calls on all States directly or indirectly involved in the conflict, including Turkey, to refrain from actions that contribute to breaches of the Convention rights of civilians, and to respect their obligations under the Convention".

同紛争に関連してトルコによるアゼルバイジャン支援が注目されている中での司法判断となりました。対アゼルバイジャン措置の場合には生命権(第2条)や拷問禁止(第3条)といった具体的義務への言及があったのに対し、上記の対トルコ措置においては条約順守を一般的に求めるにとどまっている点が注目されるかと思います。