4月21日付のプレスリリースにより、15日付の命令で却下されたと述べられています。COVID-19対策として欧州委員会が7500億ユーロ相当の資金を市場から借り入れを行うことについての詳細を定めた欧州理事会決定(2020/2053)を批准する法令のドイツ基本法適合性が争われている事件における判断になります。注意すべきは、本命令はあくまで批准法令に対する大統領署名の差止め(einstweiligen Anordnung)請求をドイツ憲法裁判所が却下したにとどまり、いわゆる欧州復興基金のドイツ基本法適合性にかかる本請求についての判断は今後ということになります。
ドイツ憲法裁判所は昨年、欧州中央銀行(ECB)を通じたソブリン債購入計画に関し、ECBが比例性評価を行ったことの保証をドイツ政府に求める判断を下して話題となりましたが、本件については同様の介入的な結論には至りませんでした。判断推論としては、利益衡量により、署名差止めにより課される外交政策上の制約が重視されています。