ロシアによるウクライナ侵攻前後から話題の海底ガスパイプライン・ノルドストリーム2ですが、その運営会社(Nord Stream 2 AG)が欧州連合を相手取り申し立てていた投資仲裁手続の停止が、3月16日付の手続命令にて発表されました。申立人の銀行資産等へのアクセスが凍結され、必要な決済を行うことができないというのが要請の理由です。Nord Stream 2 AGはスイス法人ですが、ロシアの国営会社ガスプロムの100%子会社であり、ウクライナ侵攻開始後の対ロシア制裁の影響と推認されます(申立人要請にも「最近の地政学的展開」への言及があります)。欧州連合側が条件付きながら手続停止に反対した点が興味深いですが、仲裁廷の長は申立人の要請を容れました。ひとまず、6月20日に手続的な会合が予定されたようです。