17 September 2022

ロシアによる欧州人権条約廃棄の効力発生


2月25日に欧州評議会代表権が停止され、3月2日付の閣僚理事会決議では欧州人権条約の加盟国としての地位に影響しないことが確認されたものの、欧州評議会からのロシアの即時脱退を求める同15日付の議員会議意見と、ロシア政府より同日に提出された評議会脱退および条約廃棄の通告を踏まえ、閣僚理事会は3月16日付でロシアの欧州評議会加盟国資格の喪失を決議していました。その結果、欧州人権条約第58条の規定に基づき、通告から6か月後の9月16日にロシアの欧州人権条約の加盟国たる地位が喪失することを裁判所側も確認しており、昨日、その期日を迎えることになりました。これに伴い、ロシア国籍裁判官も裁判所の席を失うこととなりました。

今後数多く持ち込まれるであろう、ウクライナ侵攻に起因する対ロシア申立については、この9月16日が時間的管轄を決する決定的期日としてカギとなることが見込まれます。